とUNDECORATED ―ガラス作家 山野アンダーソン陽子 個展”PICKNICK vol.2”ー Conversation with TEMBEA

 

UNDECORATED1123日より、ガラス作家・山野アンダーソン陽子氏の個展を開催します。本展では特別企画として、タイトルにもある”PICKNICK(ピクニック)”にちなんだトリプルコラボレーション作品”PICKNICK Bag”を発売することになりました。

 

ここでは、初めてコラボレーションするバッグブランド「TEMBEA(テンベア)」のデザイナー早崎篤史さんとデザイナーの河野の対談を通して、ブランドについてやコラボレーション作品誕生の裏側についてお伝えします。

 

︎TEMBEAとは

↑早崎氏

 

UNDECORATEDTEMBEAのバッグは街中で目にすることも多く、いろんな人々から愛されているという印象です。改めてブランドの成り立ちについて教えてください。

 

早崎氏(以下早崎):TEMBEA2004年からスタートし、2024年で20周年を迎えました。今は主にバッグを展開しているブランドなのですが、元々は洋服からのスタートで、バッグはラインナップの一部にあるという感じでした。

当時作っていたのはバゲットを入れるためのバゲットトートでしたね。2007年から型数を増やし、徐々に売り上げが洋服を越していって、現在のようにバッグがメインのブランドになりました。

 

河野:では狙ってバッグブランドに移行したというわけではなかったんですね。2004年のブランドスタート時からTEMBEAという名前だったんですか?  名前の由来も気になります。

 

早崎:ブランド開始時からずっとTEMBEAという名前は変えずにやってきました。TEMBEAというのは直訳するとスワヒリ語で「放浪」といった意味です。

 

この言葉を選ぶにあたっては、まず、服やカバンの雰囲気に“男性的あるいは女性的”といったバイアスがかかったものにしたくない、という想いがありました。そういう考えで辞書を引きながら言葉を探し、見つけたのが「目的のない放浪」という意味のTEMBEAだったんです。自由なコンセプトでものづくりをスタートしたかった自分の中でも「ぽいな… 」と感じて、ブランド名にしました。

 

︎TEMBEAUNDECORATEDの出会い

UNDECORATEDでは、TEMBEAUNDECORATEDの出会いはどんなものだったのでしょうか?

 

河野:僕からお声がけさせていただいたのがきっかけですよね。

コロナ禍に企画展で初めてTEMBEAさんのブックトートを拝見したんですが、本を入れるためのトートバッグというコンセプトと理にかなったデザインが僕にとっては凄く衝撃的でした。以来、ずっと記憶に残っていたんです。

 

山野さんの2度目の個展の話を進めるうちに、「せっかくだから僕も山野さんもやっていないことをしたいよね」という話になって、「木でバスケットを作りたい」といった意見も出る中で、TEMBEAさんのブックトートがパッと思い浮かび、「あれならグラスやボトルなどを入れても大丈夫そうだし、形もバスケットを連想できそう」と思い、コラボの打診をしました。無茶振りだろうなと心配もありましたがあのとき、どう思いましたか?(笑)

 

早崎:素直におもしろそうだな、と思いましたよ。(笑)

普段ものづくりをしているとなかなか自分の殻を破ることって難しいんですよね。一方で、やっぱりコラボレーションは難しいと思うし、大変なことも多い…。けれど、新しい発想が自分の中に芽生えるのは楽しいことだと思いましたし、燃えますね。

 

あと、実は店舗に山野さんの作品を置かせてもらっているんです。随分前に山野さんからいただいてからずっと大切にしています。だから、こんなふうに改めて繋がりができたのは嬉しかったです。

 

河野:山野さんも早崎さんとお会いになったことを覚えておられましたよ!


↑店舗に飾られいている山野氏のガラス作品

 

■コラボレーションバッグづくり、完成までのはなし

河野:今回のコラボは、「山野氏のグラス作品と、『UNDECORATED』のオリジナルテキスタイルを使用したグラス&ボトルホルダーをセットにして、グラスやワインボトルを入れて持ち運ぶことができるキャンバスバッグを作る」というお題だったわけですが、具体的に話を進める段階になって、「ブックトートの形を生かしながら、そこにボトルとグラスという2つの割れ物を入れるとなると、割れる心配も出てくるな…。実現できるのかな?」と、不安もありました。

 

そしたら、「中にクッションを入れる」っていう天才的なアイデアを早崎さんからいただいて。これには感動しました。あの発想はどこからきたんですか?

 

早崎:中にクッションを入れるというのは比較的すっと出ました。なんとなく「3つグラスが入って、斜めにワインボトルが入って」というイメージが本当にぱっと思い浮かびました。

一方で、中に入れる“綿の量”については、「詰めすぎてもパンパンになってしまうし、少なすぎても割れ物を入れるには不十分だし…」ということで、時間をかけてこだわりました。

 

河野:そんなにスムーズに思い付かれたとは驚きです! 斜めにワインボトルを入れるというアイディアには本当に感動させられました。僕らのように服を作る人はオブジェクトのような立体物を作る発想の転換にはなりづらい感じがしていて、そこがカバン屋さんならではの思考だな、と思いました。

 

肩掛けのバックを作るアイディアは山野さんからいただきました。「バスケットタイプは車に乗って移動する人にはいいけれど、少人数で、しかも徒歩でピクニックに出かける人にとっては肩掛けできるトートのような持ち運びやすいものがいい」っていうことでバケットトートをベースにした肩掛けタイプも作りました。生活に寄り添う「日用品」を作品に落とし込む山野さんだからこそ、使う人のことまでしっかりと考えていてとても良いなと思いました。

 

早崎:そうそう。そうしていろいろ意見を出しながら作っていきましたが、カラーリングは比較的すぐに決まりましたよね。

 

河野:山野さんからもシンプルな色がいいというリクエストがあって、そこで山野さんの作業着から着想を得たチャコールグレーと、今回の個展会場や作品の雰囲気に合うナチュラルの2色に決定しました。

早崎さんは実際にできあがったカバンを見てどう感じられました?

 

早崎:本当に申し分ない出来だと思います。早くグラスやボトルが入っている姿を見てみたいです。

  

UNDECORATED ―ガラス作家 山野アンダーソン陽子 個展”PICKNICK vol.2”ー

 

【開催日程】

11/23() - 12/1()
1PM - 7PM

*
作家在廊予定日:11/23 ()

 

【開催場所】
groundfloor Gallery
東京都目黒区中目黒1-8-1 2F

【コラボレーションバッグ詳細】


◾️”PICKNICK” Basket Bag

¥150,000+
受注生産

 


◾️”PICKNICK” Tote Bag

¥75000+
数量限定販売

 

※イベント当日に関するご注意※
・販売商品はなくなり次第終了となります。ご了承ください。
・混雑時はお待ちいただく場合や一部販売数を制限させていただく場合もございます。あらかじめご了承ください。

 

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TEMBEA

2004年にスタートしたバッグブランド『TEMBEA』。
入れるものや用途が決まったバッグ作りからはじまる。

今の空気感や気分であたらしい素材と色、形を模索し、無機質さや素朴さ、デザイン性を意識した物作りを目指す。

TEMBEAとは「放浪」という意味。日常に馴染む道具としてのプロダクトを作りを続けている。

 

Instagram : https://www.instagram.com/tembea_torso_design/

Website : https://torso-design.com/

 

 

山野アンダーソン陽子

2001年よりガラス産業のメッカでもある南スウェーデンのスモーランド地方、フィンランド、ベネチアにてガラス製作技術を学ぶ。2004年、Konstfack(国立美術工芸デザイン大学)セラミック・ガラス科修士課程在学を機にストックホルムに拠点を移し、現在グスタブスベリにアトリエを構え、ガラス制作の活動の場としている。2011年、ストックホルム市より文化賞授与。2014年、スウェーデン議会が作品を貯蔵。EUのみならず、イギリス、セルビア、日本などでも作品を発表し、ライフワーク「Glass Tableware in Still Life」の活動にてガラス食器のあり方を多方面から表現思考する。

 

Instagramhttps://www.instagram.com/yoko_yamano/?locale=ja_JP

Website : https://bit.ly/3YevAx8